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医薬品特許戦略ブログ 第13回:サウジアラビアのパテントリンケージ

先発対後発両サイドの特許戦略に必要不可欠な知識や最近の話題をお届けする「医薬品特許戦略ブログ」を配信します。製薬関連企業の皆様はもちろん、アカデミアや投資家の皆様にも参考にしていただけるような、実践的なポイントをお届けしたいと思います。

今回は、「サウジアラビアのパテントリンケージ」について

サウジアラビアは,2013年にパテントリンケージ制度を導入した。

薬事当局(Saudi Arabia FDA,SFDA)は,後発品申請者に対し,販売承認時に,サウジアラビア特許庁及び/または湾岸協力理事会(GCC)特許庁による,先発特許が存在しないことあるいは存在しなくなることを示すレターを提出することを求めている(Circular Letter No.7448)。

しかし,パテントリンケージ制度が存在するにもかかわらず,SFDAは2017年に,ブリストルマイヤーズスクイブ(BMS)のC型肝炎治療薬ダクラタスビルの後発品を,先発特許が有効に存在する期間中に承認した。またこれに先立ち2016年には,SFDAは,先発品のデータ保護期間中に,自国企業による,ギリアドのC型肝炎治療薬ソホスブビルの後発品を承認した。こちらは,パテントリンケージ制度に反するとは言えないが,データ保護を規定するTRIPS協定39条3項に反する可能性があると考えられる。

以上より,サウジアラビアでは,パテントリンケージ制度は存在するものの実効性については疑問がある。

参考文献:
Philip Stevens, PATENT LINKAGE IN THE GULF COOPERATION COUNCIL
September 30, 2021, Geneve Network https://geneva-network.com/research/patent-linkage-in-the-gulf-cooperation-council/ (as of May 8, 2023)

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