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エスキューブ メールマガジン 2022年7月号

メルマガ7月号をお届けします。今月の知財基礎講座では「特許事務所(弁理士)への特許出願の依頼」についてお伝えします。また、薬機法改正により「特許権の存続期間の延長登録制度に関して、延長登録の理由となる処分を定める特許法施行令」が改正されましたので、是非ニューストピックをご確認ください。

━ 知財担当者のためのメルマガ ━━━━━━━━━━━━━━━

                       2022年7月号

━ コンテンツ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

知財基礎講座■

(6)特許事務所(弁理士)への特許出願の依頼

ニューストピックス

 ●薬機法改正に伴い「特許権の存続期間の延長登録制度に関する処分の内容」を改正(特許庁)

 ●国際出願関係手数料改定のお知らせ(特許庁)

 ●中外製薬・エディロールカプセルに関する特許権侵害訴訟において東京地裁の判決を不服として知的財産高裁に控訴

 ● バイオシミラー及びオーソライズドジェネリック国内市場が大きく伸びると予測(富士経済)

 ●「知的財産推進計画2022」決定・重点8施策を公表(日本政府)

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 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律等の一部を改正する法律」が成立し、緊急時において、安全性の確認を前提に医薬品等の有効性が推定されたときに、条件及び期限付きの承認を与える迅速な薬事承認の仕組み(以下「緊急承認制度」という。)が新たに設けられました。

 緊急承認制度の概要は、ニューストピックスをご確認ください。 

知財基礎講座

(6)特許事務所(弁理士)への特許出願の依頼

【質 問】

 社内でまとめたアイディアについて特許事務所(弁理士)に特許出願を依頼したいのですが、アイディアを説明するためにどのようなものを準備すればよいでしょうか?

【回 答】

 特許事務所の弁理士が特許出願の依頼を受けるにあたり発明者、特許出願人となる方から説明していただきたい事項を紹介します。

<特許出願で特許庁へ提出する書面>

 特許出願では特許権の付与を求める発明を文章(必要であれば文章と図面と)で説明して特許庁へ提出します。
 弁理士は、「明細書」、「特許請求の範囲」、必用な場合の「図面」を準備します。このための手掛かりとなり、特許出願人の代理人となる弁理士が発明内容を正確に把握・理解することに役立つ事項として、最初にこのような事項をご説明をいただけるとありがたい、というところを以下に紹介します。

<どのような技術分野・技術に関するものか>

 開発された発明、アイディアがどのような技術分野のものであるか、例えば、金属加工技術・食品製造技術等、発明内容を把握する上での第一歩です。「明細書」で「技術分野」の欄に記載する事項になります。

<これまではどのようにしていたのか>

 開発された発明、アイディアの技術分野では従来はどのように行っていたのか。「明細書」で「背景技術」の欄に記載する事項になります。
 特許出願を行う際「背景技術の欄」に、発明が生まれた背景やその前提となった従来技術の構成や効果等を記載します。また、特許出願の時に知っているものがあるときは先行技術文献情報として、開発された発明、アイディアに関連する従来の特許出願の内容が公表されている特許出願公開公報の番号を記載します。
 ご自分で特許庁のJ-Plat Patを利用して特許調査を行い、先行している特許出願公開公報の番号をご存知でしたら弁理士にお知らせください。
 なお、特許出願の準備を進めるにあたって、弁理士は、「背景技術の欄」に記載する先行している特許出願公開公報を検索する調査をある程度のレベルで行うのが一般的です。この際に発見できた先行している特許出願公開公報を弁理士から提供受けることで、開発した発明、アイディアにおける新規な部分をより明確に説明できるようになることもあります。

<どのようなことを解決・改善しようとするのか>

 これまでどのようなところに不具合を感じていたのか、どのようなところに困っていたのか。
 従来になかった新しいニーズに対応できる発明、アイディアを開発した場合、どのような新たなニーズに対応しようとしているのか。
 「明細書」で「発明が解決しようとしている課題」の欄に記載する事項になります。

<解決・改善のために採用した工夫>

 どのような工夫を採用したことで上述した不具合、困っていた問題点を解決できたのか。あるいは、どのような工夫を採用したことで上述した新たなニーズに対応できるようになったのか。
 「明細書」で「課題を解決するための手段」の欄に記載する事項になります。また、特許請求する発明として「特許請求の範囲」に記載する事項になります。

<今回の工夫を採用したことでどのようになったか>

 上述した不具合、困っていた問題点を解決でき、上述した新たなニーズに対応できるようになったということです。これらのみにとどまらず、開発した発明、アイディアによって実現できるようになった利点は何か。
 「明細書」で「発明の効果」の欄に記載する事項になります。

<開発した発明、アイディアの具体例>

 開発した発明、アイディアを実際に行っている実例、例えば、機械・構造物の図面や写真・現物、実際に製品を製造したときのデータや試験・実験結果、従来のものと比較・検討した試験・実験結果データ、発明、アイディアが実際に行われるときの簡単なフローチャート等。 
 「明細書」で「発明を実施するための形態」、「実施例」の欄に記載する事項になります。

<面談の形式等>

 特許事務所での対面形式、「Zoom」などのツールを用いたオンライン形式、そのほか開発現場である工場などでの面談形式等があります。
 いずれにしても、開発された発明、アイディアを弁理士が正確に把握・理解する目的で、上述したような事項をご説明いただけると助かりますが、これらは、最初の段階から完全に準備していただく必要はありません。箇条書きのようなメモのようなものでご説明いただいてもよいです。
 また、図面などをご持参いただいて口頭で説明していただく等、弁理士がヒアリングする中で質問し、ご説明をいただくことで発明の内容を把握する形式にすることもできます。

<次号のご案内>

 特許出願は発明者個人で行うこともできますし、発明者から特許を受ける権利を譲り受けた会社が行うこともできます。また、一社だけでなく、複数の会社が共同して特許出願を行うこともできますし、特許出願を行った後に特許出願人の名義を変更することもできます。来月は特許出願人になれる者についてのご質問への回答を紹介します。

■ニューストピックス■

●薬機法改正に伴い「特許権の存続期間の延長登録制度に関する処分の内容」を改正
 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」が公布されました。本政令により、特許権の存続期間の延長登録制度に関して、延長登録の理由となる処分を定める特許法施行令が改正されました。施行日は令和4年5月20日です。
【政令の概要】
 緊急承認(下記図中の①)は、薬機法上の「製造販売の承認」であり、これにより特許発明の実施が可能となることから、緊急承認は特許法上の特許発明の実施をするために受けることが必要であった処分に相当します。したがって、緊急承認制度により、緊急承認(下記図中の①)と緊急承認を受けた後に当該承認の期限内に改めて行う申請に基づく承認(下記図中の②)を受ける場合には、緊急承認を特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分とし、改めて行う申請に基づく承認は、特許権の存続期間の延長登録の理由となる処分とならないことを定めます。
【緊急承認制度】

▼詳細は特許庁(JPO)のホームページをご参照ください。https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/seireikaisei/tokkyo/iyaku_kaisei_20220520.html

●国際出願関係手数料改定のお知らせ
2022年7月1日から、国際出願関係手数料が改定されます。
 本改定は最近の継続的な円安に伴う調整によるものであるとの理由から、値上げ幅が大きくなっています。改定内容の詳細は特許庁(JPO)のホームページ「国際出願関係手数料改定のお知らせ」をご参照下さい。

1.国際出願手数料

2.取扱手数料

3.日本国特許庁以外の国際調査機関が国際調査を行う場合の調査手数料

 中小企業及び大学等を対象とした国際出願に係る手数料(送付手数料、調査手数料、予備審査手数料)の軽減制度、国際出願に係る手数料(国際出願手数料、取扱手数料)について国際出願促進交付金(以下、交付金)の交付制度があります。
 制度の詳細につきましては、以下の特許庁(JPO)ウェブサイトをご確認ください。
国際出願に係る手数料の軽減措置の申請手続
国際出願促進交付金の交付申請手続

▼詳細は特許庁(JPO)のホームページをご参照ください。https://www.jpo.go.jp/system/patent/pct/tesuryo/pct_tesuukaitei.html

●中外製薬・エディロールカプセルに関する特許権侵害訴訟において東京地裁の判決を不服として知的財産高裁に控訴
 中外製薬株式会社(東京都中央区)は、骨粗鬆症治療剤(活性型ビタミンD3製剤)エディロール®カプセル0.5μg、同0.75μg(一般名:エルデカルシトール。以下、エディロールカプセル)の後発医薬品に関して、東京地方裁判所の判決(2022年5月27日付)を不服として、知的財産高等裁判所に控訴したことを2022年6月9日に発表しました。

 沢井製薬と日医工を相手取った第一審の東京地方裁判所の判決は、原告である中外製薬の請求を棄却するものとなっていました。
 中外製薬は、「判決の内容を検討した結果、当社は当該判決を不服として控訴するに至りました。」とコメントしています。

▼プレスリリースはこちらをご覧ください。
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20220609170000_1225.html

●富士経済・バイオシミラー及びオーソライズドジェネリック国内市場が大きく伸びると予測
―2030年度予測(2020年度比)―
■バイオシミラーの国内市場 1,242億円(37.5%増) 企業の枠を超えた製造など積極的なアライアンス展開で、製品が増加
■オーソライズドジェネリックの国内市場 2,792億円(60.8%増) グループ内企業で製造や販売協力が可能なため、メーカーの注力度が高い

 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区)は、 2021年6月の閣議決定で、2023年度末までに医薬品における後発医薬品の数量シェアを全都道府県で80%以上にする新たな目標が定められたことで、注目が集まる後発医薬品の国内市場を調査した。その結果を「2022 バイオシミラー・オーソライズドジェネリック戦略最新GE市場のトレンド分析と将来性」にまとめました。
 この調査では、バイオシミラー、オーソライズドジェネリック、ジェネリック医薬品の市場を分析するとともに、近年拡大傾向にある医療用医薬品受託製造の市場を明らかにし、また、それら事業に参入する有力企業51社のケーススタディを行ったと、2022年6月3日に発表しました。

▼調査結果の概要は、プレスリリースをご覧ください。
https://www.fuji-keizai.co.jp/file.html?dir=press&file=22060.pdf&nocache

●日本政府「知的財産推進計画2022」決定・重点8施策を公表
 日本政府は6月3日、知的財産戦略本部会合を開き、「知的財産推進計画2022」を決定しました。本計画では、知財戦略推進上重要となる政策課題及び施策として以下の重点8施策を公表しました。
1.スタートアップ・大学の知財エコシステムの強化
2.知財・無形資産の投資・活用促進メカニズムの強化
3.標準の戦略的活用の推進
4.デジタル社会の実現に向けたデータ流通・利活用環境の整備
5.デジタル時代のコンテンツ戦略
6.中小企業/地方(地域)/農林水産業分野の知財活用強化
7.知財活用を支える制度・運用・人材基盤の強化
8.アフターコロナを見据えたクールジャパン(CJ)の再起動

 政府は、「今後、日本で新しいアイデアの創出とイノベーションへの熱意を持つ個人を含む新たなプレイヤーが社会の知財をフル活用できる経済社会への変革を目指し、本計画に基づく施策を着実に実行していくことが求められる。」としています。
▼知的財産戦略本部
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/index.html
▼知的財産推進計画2022
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku2022.pdf
▼知的財産推進計画2022(概要)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/kettei/chizaikeikaku2022_gaiyou.pdf

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発行元 エスキューブ株式会社/国際特許事務所

弁理士 田中康子

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-23-6 石川ビル5F

Tel 03-6712-5985  Fax 03-6712-5986

Email info@s-cubecorp.com

Website  www.s-cubecorp.com

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