活動

エスキューブ知財ニュース2025年10月号

エスキューブ知財ニュースは、知財実務に直結する制度や改正法の情報に関する「今月のヘッドライン」と、医薬品分野のトピックに関する「医薬品知財情報アップデート」等の構成にて毎月発行の予定です。

━━Contents━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[1]WIPOのイノベーション・クラスター・ランキングで「深セン市・香港・広州市」が首位に

[2]医薬品知財情報アップデート
 ■エーザイ、米国におけるレンバチニブに関する特許侵害訴訟で和解 
 ■カルナバイオ、米国でがん治療方法特許が特許査定 
 ■日本ゼオン、細胞分離技術に関する特許を取得

[3]医薬バイオ食品化学審決情報

[4]先発対後発医薬品の特許係争最前線

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

[1]WIPOのイノベーション・クラスター・ランキングで「深セン市・香港・広州市」が首位に
世界知的所有権機関(WIPO)は、グローバル・イノベーション・インデックスの2025年度版イノベーション・クラスター・ランキング(GII)を公表しました。GIIは、イノベーションの全体像を把握することを目的として、(1)制度、(2)人的資本と研究、(3)インフラ、(4)市場の洗練度、(5)事業の洗練度、(6)知識、技術の産出、(7)創造的なアウトプットの7項目から構成する約80の指標について評価した指数になります。同ランキングにおいて、「深セン市・香港・広州市」が1位に、「東京都・横浜市」が2位に、「サンノゼ・サンフランシスコ」が3位に選ばれました。 

▼詳しくは「Innovation Cluster Ranking 2025」をご覧ください。
https://www.wipo.int/documents/d/global-innovation-index/docs-en-2025-gii-2025-clusters-top100-ranking.pdf

[2]医薬品知財情報アップデート 
■エーザイ、米国におけるレンバチニブに関する特許侵害訴訟で和解 
エーザイ株式会社は、経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ」(一般名 : レンバチニブ)に関する特許侵害を理由として、本剤に関する後発医薬品の簡略新薬承認申請(ANDA)を行った後発医薬品メーカーであるDr.Reddy’s Laboratories,Ltd.及びDr.Reddy’s Laboratories,Inc.に対し提起した特許侵害訴訟について、和解契約を締結したと公表しました。なお、その他の特許侵害訴訟は継続しているもようです。

▼詳しくは「米国におけるレンバチニブに関する特許侵害訴訟の和解について」(ニュースリリース)をご覧ください。 
https://www.eisai.co.jp/news/2025/pdf/news202565pdf.pdf

■カルナバイオ、米国でがん治療方法特許が特許査定 
カルナバイオサイエンス株式会社は、開発中のCDC7阻害剤monzosertib(AS-0141)を用いた治療方法の発明に関する米国特許出願が特許査定をうけたことを公表しました。monzosertib (AS-0141)は、CDC7キナーゼを阻害して細胞の増殖を抑制し悪性腫瘍の治療を目指す経口剤であり、現在、固形がん、並びにAML(急性骨髄性白血病)などの血液がんを対象としたフェーズ1試験を実施中です。

▼詳しくは「CDC7阻害剤monzosertibを用いた治療方法に係る米国における特許査定のお知らせ」(ニュースリリース)をご覧ください。 
https://www.carnabio.com/output/irnews/1617_ja.pdf

■日本ゼオン、細胞分離技術に関する特許を取得 
日本ゼオン株式会社は、米国 GPB Scientific, Inc.(通称 Curate Biosciences)が保有していた細胞分離技術に関する特許を譲り受け、細胞治療分野の事業機会の開拓を開始することを公表しました。同技術は、細胞サイズや形状の違いを利用して、高精度な細胞分離を可能にする革新的な技術であり、ライフサイエンス分野での幅広い応用が期待されているようです。

▼詳しくは「日本ゼオン、Curate Biosciences の細胞分離技術に関する特許を取得」(ニュースリリース)をご覧ください。 
https://www.zeon.co.jp/news/assets/pdf/250924.pdf

[3] 医薬バイオ食品化学審決情報
リンク付きファイルはこちら

[4] 先発対後発医薬品の特許係争最前線
弊社が注目する先発対後発医薬品の無効審判、判定請求、侵害訴訟の情報を気まぐれにアップデートしていきます。今月は、先発対後発の競争関係を左右するパテントリンケージに関する最新情報をお届けします。

パテントリンケージ見直しの第一歩として、2025/10/8で厚労省が新通知を発出しました

厚生労働省 2025年10月8日付通知PDF
厚生労働省は2025年10月8日付で、医薬品の承認審査および薬価収載に関連する特許情報の報告手続きについて新たな通知(以下「新二課長通知」といいます)を発出しました。
新二課長通知では、後発医薬品やバイオ後続品の承認審査に際し、先発医薬品に関連する物質特許や用途特許が存在する場合、特許情報を記載した「医薬品特許情報報告票」の提出が求められることが明記されています。ただし「医薬品特許情報報告票」 は公開されません。また、従来の関連通知は本通知の発出をもって廃止されます。

同日付で厚労省HPに、医薬品特許情報報告票の提出時期と提出方法がアップされています
厚生労働省HP「医薬品特許情報の報告について」

医薬品特許情報報告のタイミング
① 先発医薬品の再審査期間終了前
② 新たな特許が登録された場合は、特許公報発行日から30日以内

医薬品特許情報の提出方法
Microsoft Formsを通じて提出する
・Microsoft Formsによる提出が困難な場合は、kouhatsu-pabukome★mhlw.go.jpまでメールにて送付(※★を@に変更して送付)

*************************************************************************
発行元 エスキューブ株式会社/国際特許事務所
〒105-0001 東京都港区虎ノ門5丁目12番8号 クローバー神谷町601
Tel 03-6712-5985  Fax 03-6712-5986
Email info@s-cubecorp.com
Website  www.s-cubecorp.com
*************************************************************************

本エスキューブ知財ニュースの無断転載はご遠慮下さい。

ニュースの記載内容については正確を期しておりますが、弊所は、利用される方がこれらの情報を用いて行う一切の行為について責任を負うものではありません。

関連記事

  1. 医薬品特許戦略ブログ 第8回:メキシコのパテントリンケージ
  2. 医薬品特許戦略ブログ 第6回:カナダのパテントリンケージ
  3. CHINESE IP NEWS vol.2
  4. KOREAN IP NEWS vol.27
  5. KOREAN IP NEWS vol.28
  6. TAIWANESE IP NEWS vol.26
  7. KOREAN IP NEWS vol.31
  8. KOREAN IP NEWS vol.29

最近の活動

PAGE TOP